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音羽山観音寺後藤住職の花だより - つぼみが告げる春の訪れ 「一生懸命大きくなろうとしているのね」

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つぼみの様子を確認する住職

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 音羽山観音寺は2月末まで冬休みです。記者が訪れたのはちょうど寒波の合間の2月中旬。まだまだ春は遠い観音寺ですが、上りきるころにはほんのりと汗をかきながら、ゆっくりと寺に到着しました。

 

 境内はさすがに花の姿も少なく冬の景色。そんな中、白い花のようなものをつけた木がありました。写真に撮ったその木を見た後藤住職は、

 

 「ミツマタね。白いのはつぼみよ。これから大きくなって、黄色い花を咲かせるの。その後に葉が出てくるのよ」

 

 名前の通り、枝から3つに分かれ、一見花のようにも見えるつぼみをつけています。紙の材料にもなるそうです。

 

 「この時期に咲いている花は、ロウバイと……下の畑の紅梅はもう咲いているかしら」

 

 冬休み中のため、門の近くにある下の畑に行く機会が少ないとのこと。早ければ12月にはつぼみがふっくらするそうですが、今年はどうでしょうか。

 

 「見に行ってみようか」という住職と一緒に、下の畑に向かいました。

 

 途中、ロウバイの花やモクレンのつぼみを見ながら門のところまで来ましたが……。

 

 「あら、まだね。あの先の小さいのがつぼみよ。今年は遅いわね」

 

 つぼみも膨らんでおらず、開花はまだ先のようです。

 

 「手前にあるのがドウダンツツジ。これはワサビよ」

 

 下の畑にもいろいろな草木が春の訪れを待っているようですが、記者には見分けがつきません。

 

 「シャクナゲがつぼみをつけているわ」

 

 花を咲かせるのはまだ先のはずですが、つぼみはこんなに寒い時期からつけているのですね。

 

 洗心にも花は生けられています。

 

 「センリョウもあったんだけど。鳥に食べられたのね」

 

 食べ物の少ない冬には、鳥にとって貴重なごちそうだったことでしょう。

 

 「あら、ここのクリスマスローズはつぼみが出ているわ。下から伸びてくるのよ」

 

 境内を歩きながら、トサミズキやサンシュユ、ジンチョウゲのつぼみがあるのを教えてもらいました。

 

 「一生懸命、大きくなろうとしているのね」

 

 春は間違いなく近づいていますね。

 

 ふと、目の前のつぼみをつけた梅の枝に、何かが乗っているのが見えました。

 

 「花がきれいに咲きますようにって、小豆粥をあげたのよ」

 

 どうやら梅へ栄養分のおすそ分けだったようです。鳥も、まさか梅に粥があるとは思わなかったのかもしれませんね。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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