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観音寺の庭は味覚の宝庫 「ギンナンはレンジでチンして」 - 音羽山観音寺後藤住職の花だより

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落ちていたギンナンを拾う住職

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 奈良県桜井市にある尼寺「音羽山観音寺」を記者が訪ね、後藤密榮住職の日々の暮らしぶりを紹介します。色とりどりの花が咲く奈良県桜井市にある音羽山観音寺の住職の庭。花ばかりではなく、ハーブなど食べられる植物もたくさん生えています。9月初めの庭にも実りの秋が訪れていました。

 

 「サンショウよ」

 

 門から上がる階段の一番上に生えている木の枝を引っ張って、住職が教えてくれました。匂うと確かにサンショウです。ぱっと見るだけでは気づきませんでしたが、よく見ると小さな実がたくさんなっています。サンショウは、新芽の季節には木の芽を、6月ごろには実がなり、秋には赤い実ができるなど、使い方が幅広く、重宝しているようです。

 

 「鳥が食べてフンをあちこちに落として増えるのよ」

 

 境内の何カ所かに、サンショウの木はあるようです。

 

 実を取って乾燥させ、皮はミルにかけて八味唐辛子にも入れられます。

 

 「選別が大変だけどね」

 

 この日、無量庵に大きな袋に入れたものが置かれていました。何かと思って聞くと、

 

 「ドクダミにハーブ、オオバ、ヤマトトウキ、ウイキョウ、エゴマ…」

 

 これらを乾燥させていたものとのこと。別の場所で広げて干していたけれど、台風が来るというので無量庵に避難させていたそうです。

 

 「あるものは極力乾燥させて使うのよ」

 

 住職の庭は本当に味覚の宝庫です。

 

 県の指定文化財でもある観音寺のイチョウもこれからギンナンの季節を迎えます。

 

 「昨年は多かったけど、今年はどうかしら」

 

 年によってできる量に差があるらしく、多い年は200kg、少ない時は5kgほどしか取れない年もあるとか。

 

 「台風が来て少し落ちていたのよ。レンジでチンして食べたわ」

 

 まだまだ本格的に落ちる時期ではありませんが、いくつか落ちていたとのこと。ギンナンを食べるのは炒る手間がいりますが、ギンナンをそのまま半分に切って、レンジでチンすると、中の実だけ爪楊枝で突いて食べられるそう。

 

 「落ちてないかしら」

 

 この日もイチョウの下を見ながらギンナンの実を探す住職でした。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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