歴史文化
名月の下、水面を優雅に管絃船 奈良市・猿沢池で「采女祭」
古くから1年の中で最も美しい月とされる「中秋の名月」の17日、奈良市樽井町の春日大社末社・采女(うねめ)神社で、伝統行事「采女祭」(同保存会主催)が営まれた。雅楽が響きわたる中、管絃船が猿沢池を巡り、多くの観光客らが見入った。
采女祭は、奈良時代に帝(みかど)の気持ちが離れたのを嘆いた采女(女官)が猿沢池に身を投げたという故事にちなむ行事。
花扇奉納行列や例祭の後、日が沈み辺りが暗くなった午後7時すぎ、雅楽の音色が流れると、猿沢池を2隻の管絃船が優雅に回遊。最後に花扇を池に投じて采女の霊を慰めた。