薬師三尊像すっきり、丁寧に清められ 薬師寺「花会式」を前に「お身払い」

薬草で染めた和紙製の造花(つくりばな)を供えることから「花会式(はなえしき)」とも呼ばれる薬師寺の修二会(しゅにえ)を前に、23日、奈良市西ノ京町の同寺金堂で、本尊の薬師三尊像(向かって右から日光菩薩、薬師如来、月光菩薩)を浄布で拭い清める「お身払い」が営まれた。
加藤朝胤管主ら花会式に出仕する練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる僧侶10人が般若心経などを唱えた後、金銅製の像をはしごを使うなどして丁寧に清めた。白丁(はくちょう)と呼ばれる装束に黒烏帽子を身に着けた高校生や大学生ら青年衆がはしごを支えるなどして奉仕。参詣者約100人が手を合わせるなどして見守った。
造花は、堀河天皇が薬師如来に祈願すると皇后の病気が治ったことから、皇后が感謝の気持ちを表すために薬草染め和紙製の造花(ウメ・モモ・サクラ・ツバキ・ユリ・フジ・カキツバタ・ヤマブキ・ボタン・キク)をつくらせ、宝前に供えたのが始まりとされる。
花会式の法要は25~31日に1日6回(初日は2回、最終日は5回)営まれる。練行衆が万民に代わり日頃の悪業(あくごう)を薬師三尊に懺悔(さんげ)し、天下泰平や国家繁栄などを祈願する。初日は午後7時から。入堂無料。