奈良の道の駅「クロスウェイなかまち」 11月30日に開業 特産PRや観光効果に期待 防災機能も備え
「蛇行剣」で注目の富雄丸山古墳に近接
奈良県は3日、整備工事の入札不調により、開業が遅れている奈良市中町・石木町の道の駅「クロスウェイなかまち」を11月30日に開業すると発表した。防災機能を備えた施設で、県の農産物のPRに加え、国内最大の鉄剣「蛇行剣」などの発見で注目される富雄丸山古墳(4世紀後半)に近接しており、観光面の効果も期待される。
同施設は第二阪奈道路中町インターチェンジの南に位置。約3・4ヘクタールの敷地に農産物直売所、レストラン、カフェ、芝生広場、ドッグランを整備する。駐車場は約1万平方メートルあり、非常時は自衛隊などの活動拠点として利用。非常用発電設備や防災倉庫も備え、国土交通省が2021年6月に指定した全国39カ所の「防災道の駅」の一つに選ばれた。
施設南西に近接する富雄丸山古墳へは道の駅北側出入口または南側の管理用通路からアクセスできる。
同施設は昨年7月に実施した空調設備等工事の入札が建築資材や人件費の高騰により不調となり、再入札を実施。今年3月末を予定していた開業時期に遅れが生じていた。
定例記者会見で山下真知事は「時期は遅れたが、開業できることとなった。近隣市町の住民にとっては新鮮な農産物を買え、防災にも寄与する施設。また中町ランプに近く、大阪方面から訪れる人にとっても利便性が高い。富雄丸山古墳に訪れた人にも利用してほしい」と話していた。