石仏を照らす優しい明かり 奈良の元興寺で伝統の地蔵会 健やかな成長や世界平和を願い
奈良市中院町の元興寺で23日夕、地蔵会があり、灯明皿に火をともして追善供養し、家内安全や子どもたちの健やかな成長、そして世界の平和を願った。きょう24日も営まれる。
境内には祈願を書いた約1500枚の灯明皿が並べられ、点火すると石塔や石仏を照らす明かりが幻想的に浮かび上がった。
国宝極楽堂では地蔵尊を祭って法要を執り行い、境内では願いを書いた塔婆に浄水をかける水塔婆供養が営まれた。
元興寺の地蔵会は中世以降に広がった地蔵信仰の伝統を受け継ぐ行事で、1948(昭和23)年に復興した。万灯供養会は石塔や石仏群を並べた88(同63)年の「浮図田(ふとでん)」の整備に伴い始められた。