同居していた大和郡山市小泉町の介護職員、笹岡順子さん(当時56)を殺害し、現金約3000万円を奪って死体を遺棄したなどとして、強盗殺人、死体遺棄などの罪に問われたカメルーン国籍の住居不定、無職フォルゲ・ムンヤ・フィデル被告(31)の裁判員裁判の判決で、奈良地裁(沢田正彦裁判長)は4日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。

　沢田裁判長は判決理由で、「すでに窒息死して反応していない被害者の首を5回ふみつけた犯行態様をみると、被告人の殺意は強固といえる。犯行は突発的で高度な計画性はないが、雑木林に死体を遺棄し、国外逃亡の時間を稼いで事件の発覚を遅らせた。刑事責任は重大」と指摘。

　最後に被告人に対し、「あなたができるつぐないを考えながら、前向きに健康に一日一日を過ごして」と諭した。

　起訴状によると、フィデル被告は2021年7月9日午後6時25分ごろから午後10時15分ごろまでの間、笹岡さんの自宅で笹岡さんを殺害して現金約3000万円を奪い、同年7月12日、友人と共謀して奈良市内の雑木林に死体を遺棄した。