OSK日本歌劇団「春のおどり」千秋楽 トップコンビ楊&舞美 松竹座でサヨナラ - 感謝知り『みんな、いい子』に
今夏の同時退団を発表しているОSK日本歌劇団のトップスター楊琳(やん・りん)と娘役トップスター舞美りら(まいみ・りら)が出演する最後の「レビュー春のおどり」が14日、大阪市中央区の大阪松竹座で千秋楽を迎えた。
トップ同時就任以前から相手役として組むことが多かった2人。この日、通常の公演に続いて行われたサヨナラショーでは、2018年12月に大阪、2019年1月に東京で上演した「円卓の騎士」のナンバーの数々を熱唱。同作品で楊はアーサー王、舞美は王妃グウィネヴィアを演じた。続いて、楊のトップお披露目公演「STARt」(2021年)で息の合ったところを強く印象付けたデュエットダンス「僧侶と紫陽花」も披露。続いて、劇団創立100周年記念公演の洋舞レビュー「INFINITY」(2022年)から『青のINFINITY』などをステージ上に勢ぞろいした出演者も交えて歌い上げ、万雷の拍手を浴びた。
楊の初舞台は2007年、大阪松竹座「春のおどり」。同公演は解散の危機に直面したOSKの存続運動を牽引した大貴誠の退団公演だった。最後のあいさつで楊は、「大貴さんが最後のごあいさつで『ОSKに入ればみんな、いい子になる』とおっしゃったことがすごく印象に残ったけれど、その意味が分からなかった。でも、この立場(トップスター)になり、それは、『感謝を知る』ということなんだな、と分かった」と述べ、「舞台は見に来てくださる皆さまの存在がなければ成立しない。だから毎日、毎日が感謝の連続。『ありがとう』は素晴らしい言葉。これからも日々感謝して生きていこう、とあらためて感じています」と続けた。
舞美は「大好きな上級生の方に『松竹座の舞台では、歴代の上級生の方がいつも見守ってくださっているよ』って教えていただきました。そのお言葉を胸に、今日も心を込めて舞台に立たせていただきました」とあいさつ。今年、創立102年目を迎えたОSKは1922年、翌年開場する大阪松竹座の専属舞踊団として誕生。NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」で蒼井優が演じた大和礼子のモデルとなった飛鳥明子ら創成期の劇団員が1923年5月、松竹座公演を開始した歴史がある。
公演終了後、劇場前で楽屋出セレモニーがあり、2人は紋付袴の正装で登場。集まった多くのファンを前に舞美は「愛があふれる夢のような光景に感無量」、楊は「今、世界中で一番幸せな2人だと思います」と晴れやかな笑顔で寄り添い、何度も向きを変えて、撮影するファンにシャッターチャンスを贈った。
楊と舞美は7月13~21日、京都・南座で「レビュー in Kyoto」に出演。8月7~11日、東京・新橋演舞場で上演の「レビュー夏のおどり」で退団する。