OSK日本歌劇団「レビュー in Kyoto」4月上演　翼和希トップ就任記念 - OSK新時代、南座から躍動【前編】

バージョンアップした舞台、南座で爆発！

　3月10日、南座近くの八坂神社で取材会が行なわれ、翼と娘役トップスター千咲えみ(ちさき・えみ)、男役スター華月奏(はなづき・そう)と椿りょう(つばき・りょう)、娘役スターの唯城ありす(ゆしろ・ありす)が出席。公演の見どころや意気込みなどを語った。

「レビュー in Kyoto」取材会にのぞんだ(左から)唯城、華月、翼、千咲、椿=3月10日、京都市東山区の八坂神社🌸　（🌸の写真は藤井博信=日本写真家協会会員=が撮影）

　タイトルの『レゼル Les Ailes」はフランス語で「翼」の意味。永遠の命をつなぐフェニックスなど『翼』をモチーフにドラマティックなレビューショーが展開する。

　天使の羽が舞う幻想的な幕開けから、情熱のラテン、未来に向けて天翔ける姿を象徴するスタイリッシュな総踊りなどに、南座公演のために新たにつくられた『ヤマトタケル白鳥伝説』や黒燕尾の男役の群舞などを加えた盛りだくさんな75分。OSKならではのテンポの速いラインダンスも『南座バージョン』に一新。セリや盆など南座の充実した舞台機構を駆使した演出で全編を通じて新たな表情に。OSKの南座公演では6年ぶりとなる客席降りもある。

国内外を巡る『レゼル Les Ailes』より

　各地を共に巡ったメンバーに椿、唯城はじめ新たな出演者が加わる同公演では、今春、研修所を巣立つ101期生が初舞台を踏む。「トップ就任記念公演の最終地点として、いよいよ京都南座へやってまいります。さらに心強いメンバー、そして、未来を担う初舞台生とともに、よりバージョンアップした舞台を皆さんにお届けしてまいります」。取材会の冒頭、翼は力強く語った。

南座公演への意気込みを語る翼🌸

　『レゼル Les Ailes』の『翼』はいうまでもなく翼和希の『翼』でもある。題名に「(北林)先生の愛を感じた」という翼は「『異なる』の上に『羽』、人と異なることを恐れず、大きく羽ばたきなさい、との思いを込めた」と自身の芸名を解説し、「みんな生まれた時は翼が生えていたんだよ…」と歌うオープニングを「そっと背中を押してくれるような、歌っていて励まされるような、私の名前に通じる歌詞を作っていただけたのがすごくうれしい」と感謝。「これからは広げた翼で、みんなを守っていけるような人になりたい」と目を輝かせた。

芸名に込めた思いを語る翼🌸

　「レゼル Les Ailes」は山口県岩国市(2024年10月)、シンガポール(2025年1月)、愛知県名古屋市(同3月)、香川県東かがわ市(同3月)と国内外で上演。「土地ごとに反応が全然違い、生の舞台の良さを再確認できました」という翼。歌劇という表現形式があまり浸透していないシンガポールでは当初、戸惑いを見せていた観客が中盤にさしかかるころには一転して熱く盛り上がるという劇的な体験もした。「名古屋、東かがわでさらに引き出しを増やし、それを南座で爆発させたい！」と思いを語った。

身が引き締まる思い

　取材会に先立ち、公演の成功祈願祭とお練りがあり、八坂神社境内には約300人のファンが集合。昭和5年から歌い継がれているOSKのテーマソング「桜咲く国」にちなんだ応援グッズ「ミニ桜パラソル」を手に劇団員を激励する姿も見られた。

声援を送るファンに手を振る(左から)翼、千咲、華月=3月10日、京都市東山区の八坂神社🌸

(左から)翼、千咲=同🌸

　お練りを待ち構えるファンの姿について翼は「熱く記憶に刻まれた」と感動。「皆さまがかけて下さるお言葉のひとつひとつがとても温かかった」と感謝し「成功祈願は身が引き締まる思い。絶対に南座公演を成功させたい！　皆さまにお楽しみいただける舞台をお届けしたい！　という気持ちが一層、強くなりました」と真摯（しんし）に語った。（後編に続く）

成功祈願祭に参列した(左手前から)唯城、華月、翼、千咲、椿＝同