アプリとか聞くと頭が痛くなるアナログ人…
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アプリとか聞くと頭が痛くなるアナログ人間であるが、ネットの某動画配信サービスにはまっている。有料ではあるが急速に普及しているという。
映画好きの筆者には、かつての名作映画を都合のいい時間に見ることのできるのがいい。時とともに色あせる作品もあるけれど、映画黄金期の傑作は時を超えて光を放つ。
60年前の作品を初めて見て、衝撃を受けた。「怪談」(小林正樹監督)。日本各地の伝説を題材にした小泉八雲の名高い原作から「黒髪」「耳なし芳一」など4編を映像化している。
平安時代、江戸時代の屋敷や雪景色から壇ノ浦の合戦まで、美術工芸品といっていい見事なセットにほれぼれする。カメラマンの卓越した技量、名優陣の競演は「日本映画の至宝」を生み出した。
ところが、当時の金額で3億円かけた大作は、製作したプロダクションが倒産するほど興行的には惨敗だった。海外での評価は高くカンヌ映画祭で審査員特別賞を受けたのだが。
当初はもてはやされなくても、真に価値のあるものは、永遠の命を持っている。これは、映画だけではない。(栄)