家族思いながら遺言状 河合町で原爆パネル展
奈良県河合町中央公民館(同町池部2丁目)で「原爆パネル展」が開かれ、写真パネルで第二次世界大戦の戦地や日本国内の悲惨さを伝えるとともに、日本軍兵士が戦地から家族に送った手紙や遺言状、軍服など、町内の遺族が提供した遺品も出展している。15日まで。
兵士が戦地から出す手紙は、戦況などを記すことが禁じられ、検閲を経て家族のもとに届いた。ニューギニアからの手紙には、「兄の分迄 老母ヲイタワッテクレ 万才」と記し、家族を思う気持ちがにじみ出ている。
この他、戦死後、家族に送られる遺品に忍ばせた遺言状、各部隊長が兵士の死亡日や場所を遺族に知らせる「死亡状況書」、亡くなるまでの状況を遺族に知らせた戦友からの手紙なども展示する。
8日、展示を訪れた町内在住の主婦(73)は、「軍服がマネキンに着せられて、より痛ましさを感じる。戦争ってむごいですね…」と話した。
午前9時から午後5時開場。月曜休館。問い合わせは町企画部政策調整課、電話0745(57)0200。