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100年の歴史、300年後まで 奈良ホテルが1909年創業当時の宿帳修復 英国陸軍元帥や米大学野球チーム名も

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レジスターブックについて説明する福田取締役副総支配人=26日、奈良市高畑町の奈良ホテル

 奈良市高畑町の奈良ホテル(原田隆太社長)は創業115周年の昨年から始めたレジスターブック(宿帳)の修理を終え、26日、本館で展示を再開した。創業した1909(明治42)年10月17日から約2年間に宿泊した2千人以上の名前や住所を英語の筆記体で記している。背表紙が外れ、折れたり、破れたりしたページがあり、文化財保存(同市高畑町、吉岡宏社長)が約9カ月で直した。

 

 修理作業では、とじを外し、ページに付着したほこりは刷毛で落とした。切り取られたり、虫食い状態になっていたりしているページには本来の紙質に近い紙で直し、元のページの姿に補修した。

 

 作業中には、当時のグループホテル名を記載した切り取り式のインク吸い取り紙が署名ページの前のページに存在していたことも判明した。

 

 同ホテル1冊目の宿帳で、唯一現存。署名はほとんどが外国人で、当時の英国陸軍元帥や米シカゴ大学野球チーム名が見られるという。署名者の解読は続けている。

 

 同ホテルの福田順取締役副総支配人は「300年後も本物を見てもらえるよう、保存・修理作業も継承したい」と語った。

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