太鼓台、勇ましく3年ぶり巡行 吉野山の蔵王堂・蛙飛び行事
奈良県吉野町吉野山の世界遺産・金峯山寺蔵王堂で7日、県指定無形民俗文化財の伝統行事「蛙飛び行事」があり、地元の青年らがかつぐ蛙飛び太鼓台が3年ぶりに巡行。山内がにぎわいを取り戻した。
修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)の威徳をしのぶ蓮華会法要の後、お堂の前で蛙飛び行事があり、修験に導かれて改心した男が山伏の超人的な法力でカエルから人間の姿に戻る物語を演じた。
主役のカエルを乗せて門前町を練り歩くのが太鼓台。約70年前に地域住民が行事を盛り上げようと始めたが、新型コロナウイルス感染拡大予防で一昨年と昨年は自粛した。
掛け声は「えーらいやっちゃ」と勇ましく、参道は一気に活気づいた。約40人の担ぎ手は玉の汗を光らせ、蛙飛び太鼓台保存会長の水本充洋さん(48)は「吉野山の夏の風物詩なので太鼓台が出ないと寂しかった。皆さんに夏を感じてもらえれば」と話した。