義経と源氏ゆかりの地 宇陀市(2) - 奈良に息づく義経伝説【6】
源義経の母常盤御前は義経ら子どもを連れ、京から大和へと逃がれた。鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」ではその行先を「大和国宇陀郡龍門牧に赴いてよりこのかた…」と記す。また軍記物「平治物語」の後出本では「大和国宇多郡竜門牧・岸岡」のおじを頼ったとする。
奈良県宇陀市と吉野町の境、竜門岳を中心とした龍門地域に牧の地名がある。同市大宇陀牧地区の上西英司自治会長は「昔は国道370号沿いに常盤明神と呼ばれる祠(ほこら)がありました。ただ道路の拡張により今はどこにあるか分らなくなっています」と話す。
牧の北隣、大宇陀栗野には「常盤橋」と呼ばれる橋がある。また、牧と栗野両地区合同の老人会や子ども会の名称は「ときわ」の名を冠しているという。常盤はこの地域で近い存在として親しまれてきた。
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