【読者プレゼントあり】11月11日は「くつした」の日　奈良の靴下の良さを知ってほしい - 奈良県靴下工業協同組合提供

靴下が2足並んで　11 11

　靴下の左右がペアとなって、2足並べたときのかたちが「11 11」に見えることから、日本靴下協会（東京都台東区、廣地厚・会長）は11月11日をザ・ペアーズデイ「くつしたの日」と定めて、国産靴下のPR活動を展開している。

　「くつしたの日」を中心に、靴下メーカーでは企業の枠を超えてイベントやキャンペーンを毎年、実施している。今年のテーマは「くつしたをおしゃれに、もっと楽しもう」。首都圏や大阪などのデパートで、通常はWEBサイトでしか取り扱っていない商品などを各社が数点ずつ商品を出品し、共同で販売するポップアップストアを始めて展開。SNSを通じたキャンペーンも実施している。

日本一の靴下生産地・奈良県

　奈良県は広陵町や大和高田市を中心に靴下メーカーが軒を連ね、国内でも有数の靴下生産地となっている。これまでOEM生産（※注1）が主流であったが、コロナ禍や原料の高騰などの影響により、近年は直接販売やファクトリーブランド（※注2）の立ち上げが増加。消費者に上質な靴下を届けている。

　そんな奈良県内の靴下メーカーが集まるのが、1950年創立の奈良県靴下工業協同組合（大和高田市、堀田和彦・理事長）だ。外国製の靴下に押されがちな苦しい状況において「奈良県産靴下の良さ」を伝えるため、さまざまな取り組みに挑戦している。

（注1）自社で企画・開発した製品を、別の企業に生産を委託する生産方式。 OEMは「Original Equipment Manufacturing」の略で、日本語では「相手先ブランド名製造」とも呼ばれている。
（注2）アパレル商品の生産・製造を手がける企業が自ら企画・生産・販売して展開するブランド。

奈良県靴下工業協同組合の取り組み

＜靴下ソムリエ資格認定制度‐靴下を語れる伝道師の育成＞
　主な取り組みのひとつが、日本靴下協会とともに主催している「靴下ソムリエ資格認定制度」。靴下についての「歴史」「生産・技術」「製品」について豊富な知識を持ち、消費者に靴下の魅力や価値を正しく伝えることができる伝道師的な人材を育成する。靴下ソムリエが奈良県産靴下をはじめとしたMade In Japan靴下の魅力を広く発信することにより、市場の活性化と新たなマーケットを創出することを目指す。

　資格認定試験は2024年9月に第7回目が実施され、国産の靴下ファンたちが奈良・大阪・東京の会場で試験に挑んだ。また「くつしたの日」のイベントの一つとして、認定証授与式が文京シビックセンター（東京都文京区）にて開催される。

靴下ソムリエ認定マーク（同組合提供）

＜奈良靴下商品認定制度‐「安心・安全」を保証＞
　外国製品を中心に多数の製品が出回るなかで、消費者に奈良で生産された靴下の良さを知ってもらい、実際に使ってもらうため、「奈良県靴下商品認定制度」をスタート。製造企業の顔が見える製品づくりをコンセプトとする。

　認定条件は厳しく、組合企業が奈良県内で編み立ておよび加工したものであること、組合が定める品質基準（奈良県靴下品質基準）を満たしていることなど。認定審査会にて審査に合格すると、認定の証として下記の「認定マークシール」がすべての製品に付けられる。この奈良産の認定マークを見れば、奈良県で作られた安心・安全な靴下と認識してもらえるように活動している。

奈良県靴下商品認定マーク（同組合提供）

＜『The Pair』‐奈良県産靴下のフラッグシップブランド＞
　履き心地にこだわったプレミアムな靴下ブランド『The Pair』を立ち上げ、関西の百貨店を中心にポップアップ販売にて奈良県産靴下をアピール。全商品が揃うオンラインショップも運営している。

　県内のメーカーが靴下づくりのノウハウと技術力を結集して、消費者ニーズをカタチにしながらファンを増やすことを目的とした双方向型のブランド。ホームページでアンケートを実施するなど、消費者からのリクエストを反映して工夫と改良を重ねる。その結果として、履き心地とデザイン性の高さを両立させた靴下が充実している。奈良県産靴下のフラッグシップブランドとして「毎日の暮らしがワクワクする」個性が生きた靴下を広め、好評を得ている。