大学生の頃、大阪万博のために東京から駆けつけて、月の石を見て感激した。今回は「どうしても行きたい」という気分でなかった。

　ところが、開幕直前になって本紙をはじめメディアが一斉に報道するものだから、万博熱が一気に高まった。半世紀ぶりだから、出かけてみようかという気にもなる。

　まだ時間はたっぷりあるから、よく勉強して計画を立てようと思う。そんな万博熱に酔っている場合でなく、夏の参院選とともに県都の市長・議員選も熱くなっている。

　市長選は、現職をはじめ誰も手を挙げていないが、複数の県議や市議の名前が聞こえてくる。しかも「謀略」めいたうわさがまことしやかに伝えられる。

　議員選で戦う相手と手を組み、本来仲良くすべき友党と反発するという、おかしなことが起きている。弁舌さわやかで言葉巧みであっても、その行動に不信が募る。

　20年ほど前、市長不信任決議が可決されて大混乱になった。あとから分かったが、発端は職員から不法に資料を入手して、刑事事件になった謀略だった。まだ覚えている人は多いと思う。(治)