カビの一種である「こうじ菌」を使って日…
カビの一種である「こうじ菌」を使って日本酒や焼酎、泡盛などを作る「伝統的酒造り」が、ユネスコの無形文化遺産に登録された。杜氏(とうじ)や蔵人たちが長い年月をかけて築き上げてきた日本独自の酒造りの技術だ。
平城宮には酒造りをつかさどる役所があり遺構も見つかっている。大神神社(桜井市)は酒造りの神様であり、春日大社(奈良市)には日本最古の酒殿がある。
また、今の日本酒につながる清酒も正暦寺(同市)が発祥の地とされ、室町時代には作られていた。奈良は日本酒と縁の深い土地といえる。
現在でも県内各地に蔵元があり、それぞれの土地や気候に合った個性的な酒造りを行っている。しかし、全国的に知られた酒は少ない。
無形文化遺産登録を受け、6日には県酒造組合や奈良文化財研究所(奈文研)など関係団体が会見。「オール奈良」で奈良酒の魅力発信に取り組む姿勢を見せた。
奈良だけではないが、後継者不足や消費者の日本酒離れなど酒造りを取り巻く環境は厳しい。登録をきっかけに、伝統的な酒造りを再評価する機運が高まれば。(法)