今後の県政を進めるかじ取りが替わって2…
今後の県政を進めるかじ取りが替わって2カ月。山下真知事にとって初の定例県議会が終わった。これから知事の手腕が本格的に問われる。
山下知事が示した方針転換の一つに、奈良市の平城宮跡内を通る近鉄奈良線の移設計画見直しがある。国営平城宮跡歴史公園内の鉄道を移設するのは是か、非か。
いわゆる「開かずの踏切」の解消を国から迫られて進んだ論議だが、世界遺産の一つである特別史跡「平城宮跡」への目配りを忘れてはならない。
公園整備・管理の基本的な内容をまとめた国の基本計画は2008年末に定められた。この中に「段階整備方針」という項目がある。もちろん、現在も生きている。
いわく「これらの施設の移転・移設等のタイミングに合わせて順次公園の整備を進めていくこととなる」。「これらの施設」には道路や鉄道も含まれている。
基本計画は、明確に鉄道の移転・移設を視野に入れている。では基本計画を変更するのか、しないのか。要は平城宮跡の保存と活用について、どう考えるかだろう。山下知事を含めた関係者の調整論議に注目したい。 (北)