久し振りに一人でカラオケボックスへ。料金を聞いてから申し込み用紙に名前、年齢を書きこんだら、受付の女性が「あ、60を超えたシニアの方は割引です」と。

　予期しないお得な割引に気分がよくなり、その日は声の調子が良くなった気がした。映画はサービスデーではなくても常時、シニア割引を利用できるようになった。

　旅行も同様。JR西日本全線の新幹線・特急列車が3日間または5日間乗り放題で利用できる「西なびグリーンパス」(50歳以上限定)のチラシを見て、ときめいた。

　同様の企画はよくみかけるが、これは普通車より高額なグリーン車にも乗れるのが特徴だ。期間中は指定席が8回まで利用できるというから、ちょっとした「シニア貴族」ではないか。

　筆者の生まれた年に発表された松本清張の小説を読んでいたら、「六十を越した老人だが」「彼は六十一歳にもなるが」との記述が。当時の平均寿命からすれば、そうなるのだろう。

　今の高齢者は元気な人が多い。最近は誕生日が来ると憂うつになっていたが、歳を重ねていいこともある。プラス思考でいこう。(栄)