奈良県立医科大学の新キャンパスが完成し…
奈良県立医科大学の新キャンパスが完成した。名称は「畝傍山キャンパス」。名称にその名を冠するほど、新キャンパスから望む畝傍山は美しい。
大和三山の一つ、畝傍山は三山の中で最も標高が高く、眺める方角によって大きく山容が異なる。西側から望むと尾根がなだらかに延びる柔らかな印象、逆に険しく勇ましい印象を受けるのが、新キャンパスがある北側からの山容だ。
同じ山かと思うほどの変化があり、東側からはおわんを伏せたようにこんもりと見える。個人的には北側からの畝傍山が一番美しい。
新キャンパスに通う学生は万葉集にも詠まれた畝傍山の勇姿を間近に望む。最新の設備はもちろん、日々目にする風景も、学びを豊かに支えてくれるだろう。
新キャンパスの建設に伴う発掘調査では、弥生時代の遺跡から、石器に用いる流紋岩が多数見つかった。産地である畝傍山から運ばれた可能性がある。
畝傍山とつながりながら歴史を紡いだ地に、今度は医学を志す若者が集う。学生たちが山を見て何かを感じるように、山も学生たちの学びを見守るだろう。(増)