大阪大空襲の犠牲者悼む新作能「千人塚」 5月31日まで上演支援のCF
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観世流能楽師・山中雅志さん(47)=大阪市阿倍野区=らが、大阪大空襲による犠牲者を慰霊する新作能「千人塚」を制作。6月7日午後4時半から、大阪市旭区の区民センター大ホールで初演する。
千人塚は1945(昭和20)年6月7日の大阪大空襲で犠牲になった身元不詳の遺体千数百体を荼毘(だび)に付したという淀川河川敷(大阪市旭区生江)に建立。毎年同日に慰霊祭が営まれ、2011年からは法要後に慰霊能が行われている。しかし、主催者や遺族の高齢化、コロナ禍による中断などで続けることが難しくなっているという。
山中さんは、戦後80年を迎える今年、「千人塚」を市民に広く知ってもらい、悲劇を語り継ぐ枠組みを作りたいとの思いで新作能「千人塚」の台本を執筆。あらすじは大空襲により命を失った娘が、千人塚で遺族による弔いを受けると、菩薩となって現れて舞うという内容。
山中さんは「作品をきっかけに千人塚を多くの人に知ってもらいたい。戦争反対の思いが伝われば」と話す。
6月7日の公演は千人塚慰霊能実行委員会主催。参加費は3000円。5月31日まで、クラウドファンディング(campfire)で上演費用を募っている。