旅情は時を超え 昭和2年まで使用、近鉄秘蔵の「車内駅名表示幕」 奈良県橿原市での特別展に出品

奈良県橿原市久米町の橿原神宮宝物館で開催中の特別展「鉄道で巡る聖地 近代ツーリズムと橿原神宮」(近鉄など協力)に、近鉄に現存する最古の「車内駅名表示幕」(長さ8メートル、幅1メートルの布製)が特別出品されている。7月21日まで。
近鉄グループホールディングスが所蔵し、普段は公開していない「秘蔵品」。国分線・奈良線・畝傍線・八木線の駅名が書かれ、近鉄の前身、大阪電気軌道の旅客用電車「デボ1形」の車内で1927(昭和2)年まで使用されていたとされる。
同展に協力する皇学館大学文学部の長谷川怜准教授は「当時の人たちが車内で見ていた景色を追体験できる貴重な資料。日本語の変化も知れておもしろい」と話す。