春、もうすぐそこに 「啓蟄」 奈良県宇陀市でフクジュソウ開花
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きょう5日は二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」。春の季語でもあり、土の中で冬ごもりをしていた生き物が目覚めるころ、といわれている。3月のスタートとなった先週末は全国的に気温が上昇し暖かくなったが、今週は寒の戻りで春到来は足踏み。
そんな中、植物の芽吹きがにぎやかに。フクジュソウもその一つで、漢字では「福寿草」と表記され、古くから福を招く縁起物として正月を祝う寄せ植えなどに重宝されている。一般的な花期は早春で、3~4センチほどの黄色い可憐(れん)な花が咲く。
室町時代に創業した森野吉野葛本舗(奈良県宇陀市大宇陀上新)の裏山にある「森野旧薬園」ではフクジュソウが艶(あで)やか。江戸時代中期、当時の当主が開園。そのころの面影を残す希少な薬園として知られ、現在250種類を超える薬草を見ることができる。
薬草を管理する原野悦良さん(92)、ヒデ子さん(87)夫妻は「異例の寒暖差が続く中、今年もきれいな花が咲いてくれた」と話す。撮影当日は雪が残っていたが、今月末から4月初めにかけ、春を彩るカタクリなども見ごろを迎える。
問い合わせは、森野吉野葛本舗、電話0745(83)0002。