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【動画あり】ミツバチたちの春、ただいまフル稼働 吉岡養蜂園 - 奈良県生駒市

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巣枠には黄金色のはちみつがたっぷり

 

 奈良県生駒市の生駒山山麓にある吉岡養蜂園では、いま採蜜の最盛期を迎えている。春の山桜にはじまり、これから初夏にかけてはアカシア、ハゼと続く花々の蜜を、無数のミツバチたちがせっせと集める。採蜜は6月上旬まで続き、山あいには甘くやわらかな香りが漂う。

 

 ひとつの群れが数万匹単位で構成されるミツバチは、群れ単位で「1群、2群」と数える。吉岡養蜂園では現在、およそ1000群を飼育しており、県内でも有数の規模を誇る。春だけで10トンものはちみつを生産するという。創業者である吉岡幸次さんが養蜂を始めたのは60年以上前で、今は息子の伸次さんがその志を受け継ぐ。ミツバチとともに生きる暮らしは、二代に渡ってこの地に根を下ろしている。

 

 ミツバチは暑さに弱いため、夏場は全ての巣箱を10トントラックに載せ家族で北海道に移住する。そこで涼しい環境のもと体力を回復させ育てて、9月末ごろ再び生駒へと戻る。わずかスプーン一杯分のはちみつを運ぶために、一匹のミツバチは生涯をかけて飛び続ける。そんな働き者の子どもたちが、家族経営の養蜂園を支えている。

 

 近年、養蜂業の主力は採蜜ではなく、交配用のミツバチの貸し出しになっているという。果樹農家や野菜農家にとって今やミツバチはなくてはならない存在で、奈良県の特産品であるイチゴも彼らの働きなくしては、形よく実ることはない。またミツバチが作り出す天然のロウ「蜜蝋」はリップクリームなどの化粧品や食用としても使われている。

 

 息子の伸次さんは言う。「ミツバチは、日本の食糧を根っこで支えている存在なんです」と。小さなミツバチが、私たち人間の生活にもたらす大きな役割に改めて考えさせられた。

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