春日大社「おん祭」前に先参り 12月16日まで神職らが若宮など案内も
今年で889回目を迎える伝統行事「春日若宮おん祭」(国指定重要無形民俗文化財)が15~18日、奈良市春日野町の春日大社などで営まれる。平安時代の1136(保延2)年、関白藤原忠通が天下泰平や五穀豊穣(ほうじょう)を願って始めたとされる同大社の摂社若宮神社の祭礼。17日の「お渡り式」は奉仕者約1000人、馬約50頭の行列が市内を巡り、「お旅所祭」では神楽や猿楽、舞楽など芸能の数々が奉納される。
祭りに先駆けて、若宮本殿に参拝する「先参り」が10日始まった。若宮式年造替を記念し、おん祭への理解を深めてもらうことを目的に2年前から実施。16日までの午前9時半から午後0時半までは、神職やボランティアガイドによる若宮や夫婦大国社の無料案内が行われる。また、各日先着50人に復刻した御用菓子「意伝坊」を進呈。意伝坊は祭りに奉仕する大和士が食べた米、胡麻、小豆、山椒、芥子、味噌を使った珍味。
参拝した奈良市の会社員松岡美希さん(37)は「天気がよくお社が輝いていた。華やかなタイミングでお参りできて良かった」と話していた。
同社の千鳥祐兼権禰宜は「祭の前に参拝することで若宮からの御神徳を受けていただけたら」と話す。