天理大学男子バレーボール部・楠本岳主将 ひたすら「つなぐ」 - 輝く奈良のアスリート

関西大学春季リーグを無敗で制し、西日本大学選手権で35年ぶりV
4~5月に開催された関西大学バレーボール連盟男子春季リーグ戦の男子1部リーグを無敗で制し、2年ぶり8回目の栄冠を手にした天理大学男子バレーボール部。さらに今月4~7日に広島県で行われた第50回西日本バレーボール大学男子選手権大会でも35年ぶり4回目の頂点に立ち、快進撃を続けている。(岩本淳)
チームを率いる楠本岳主将(4年)は、関西大会で最優秀選手賞とレシーブ賞、西日本大会でも最優秀選手賞とサーブレシーブ賞を受賞した。攻守に優れたオールラウンダーとして活躍するが、自身は特に守備に重きを置いており、今のチームのコンセプト「守り勝つバレー」をけん引する。中学時代には昇陽中(大阪)、高校時代には東山高(京都)で全国制覇を果たしている。その経験を生かしてチームの守備力向上に注力してきた。
天理大は一昨年春に関西リーグを制覇。同年秋と昨年春、秋は3季続けて2位と上位を保ってきたが、楠本主将は躍進よりもあと一歩で優勝を逃した悔しさを口にしていた。その悔しさが原動力となり、今の躍進につながっている。
数々の個人賞 守備で身長カバー
大きいチームでは平均身長が190センチを超えるところもある中で、現チームは平均身長180センチに満たない、比較的体格が小さいチーム。楠本主将も177センチと、バレーボール選手としては小柄な方ではあるが、190センチ台後半の選手らもいる中、最優秀選手賞をはじめ複数の個人賞を獲得するなど注目を集めている。「身長がない分、ディフェンスを鍛えてきた」と淡々と話す姿からは、守備に懸ける思いや、取り組んできたことに対する信頼と自信が感じられた。バレーボールは身長が高い方が有利な競技であるという側面は厳然としてあるが、それを覆す要素もまた確かに存在することを、プレーを通じて体現し続けている。
バレーボールを始めたのは小学1年生の頃。両親がやっていたので、自然と自分もするようになったという。競技の魅力を「ボールが床に落ちると相手の得点になってしまうので、いかに落とさずに全員でつないで決めに行くか」と話す。常に心がけている「見ていて楽しいバレー」も、どれだけ強い攻撃でも落とさずにつなぎ続けることが、見る人の心に響くかを知っているからこその言葉だろう。
「あまり先は見ずに、一つ一つやっていきたい」と話す楠本主将。目標としては、11月に開催される全日本インカレでベスト4以上、また秋の関西リーグで優勝し、まだ達成していない春秋連覇も目指すという。さらに「もう一つ上のレベルでやってみたい」という思いもあり、ゆくゆくはトップリーグでプレーすることも視野に、掲げた目標に向けて着実に、チームの仲間とともに一歩一歩進んでいく。
2024年7月31日付・奈良新聞に掲載