「奈良のシカ」1325頭 奈良公園内、2023年比92頭増加 今年生まれた子鹿は214頭
奈良の鹿愛護会は16日、奈良公園(奈良市)内に生息する国天然記念物「奈良のシカ」の生息頭数調査の結果を発表した。保護施設「鹿苑」に収容された鹿を除く公園内生息頭数は1325頭で、前年から92頭増加。今年生まれた子鹿は214頭(同比37頭増)だった。
調査は15、16日の2日間で同会職員らが目視で実施した。鹿苑内を除く公園内生息頭数の内訳は雄313頭(前年比27頭増)、雌798頭(同28頭増)。
けがや病気で鹿苑に保護された鹿の頭数は268頭(同18頭減)。雄が138頭(同6頭減)、雌が130頭(同12頭減)。鹿苑を含む鹿の総数は1593頭(同74頭増)だった。
1年間で確認された死亡頭数は130頭で、前年より14頭減少。死因は疾病35頭(同24頭減)▷交通事故29頭(同6頭減)▷老衰などを含む「その他」66頭(同16頭増)―だった。野犬による死亡は前年に続きなかった。
奈良公園内で発生した交通事故件数は64件で前年と同じ。発生場所は、大仏殿交差点-高畑交差点の公園道19件(死亡鹿数9頭)、国道169号県庁東交差点-福智院交差点間14件(同8頭)、国道369号県庁東交差点-近鉄奈良駅前間14件(同4頭)が多かった。
同会は「前年より子鹿も増え全体的に頭数が増えている。出産時期はほぼ終わったが公園内の子鹿は人に慣れていないので温かく見守ってほしい」と呼びかけている。