【速報】聖武天皇の『大嘗祭』木簡、新たに1500点以上を確認 備中国の関わり鮮明に - 奈良・平城京跡
今年3月、奈良市二条大路南3丁目の平城京跡で見つかった、奈良時代の聖武天皇が即位した際の「大嘗祭(だいじょうさい)」に関連する木簡群について、洗浄作業を進めている奈良文化財研究所(奈文研)は2日、新たに1500点以上の木簡を確認したと発表した。備中国(現・岡山県西部)の地名が多く記され、同国が大嘗祭に関わっていたことが鮮明になった。
平城宮の正門朱雀門の南東約200メートル、平城京の「左京三条一坊二坪」の大きな穴から大量の木簡が出土。その中に「大嘗分」「大嘗贄(にえ)」と書かれた木簡が計4点見つかり、一緒に出土した木簡の年号などから724(神亀元)年に即位した聖武天皇の大嘗祭に関わると考えられている。
奈文研は穴の土を持ち帰って洗浄を続けており、6月20日現在で約6割の作業が完了。これまでに計2600点以上の木簡を確認した。荷札や付け札の木簡は約180点。うち3分の2に当たる約120点で、備中国の国名や同国に存在した全九つの郡名の記載があった。
奈文研は今後も土の洗浄作業を継続するとともに、まだ検討できていない木簡の削りくずの分析を行い、木簡群の全容解明を進める。