奈良市の南明寺、法要で古代芸能「伎楽」復活 文化復興へ団体創設
奈良市阪原町の南明寺は7日、飛鳥時代に伝来した古代芸能「伎楽(ぎがく)・舞楽」復興を目指した文化団体「白鳳楽舎」(代表、米田弘雅南明寺住職)を創設し、7月13日の法要で伎楽の初演を行うと発表した。
伎楽は飛鳥時代に大陸から伝わった雅楽器の調べに乗せて演じられる無言劇で日本の演劇の原点とされる。当時は、供養のための音楽の一つとして法要で演じられ、余興的な演劇としても広まった。正倉院には奈良時代の面や装束が伝わり、1980(昭和55)年には東大寺大仏殿昭和大修理落慶法要で復元されたが、現在、上演出来る団体は数少ない。
白鳳楽舎は「一般の人にも参加してもらえる復興団体として上演機会を増やし、古来芸能と仏教に触れる場を作りたい」という、学生時代から雅楽に携わってきた米田住職の思いから創設に至ったという。
今後は途絶状態の演目や曲目の復元、伎楽面の衣裳の復元制作なども進めていくとしている。
7月13日は、午後7時から営む「華鬘(けまん)会舞楽法要」の中で伎楽「獅子」が復元上演。残された資料を参考に楽曲と演技を復元し、獅子頭は正倉院に伝わる面を参考に作られたものを使用する。
米田住職は「奈良の町に伎楽を響かせたい」と意気込んでいる。
問い合わせは、同楽舎事務局、電話0742(93)0392。