富雄丸山古墳 「蛇行剣」取り上げ緊張 - 橿考研・河崎主任研究員が当時を語る
奈良市丸山1丁目の日本最大の円墳、富雄丸山古墳(4世紀後半)から出土した鉄剣「蛇行(だこう)剣」。現在は応急的な保存科学的処置が続けられているが、他に例を見ない2メートル超の長大な遺物をどう取り上げたのか。担当した奈良県立橿原考古学研究所(橿考研)保存科学研究室の河崎衣美主任研究員(38)に当時の話を聞いた。(竹内稔人)
蛇行剣は2022年11月、富雄丸山古墳の造り出しで確認された埋葬施設「粘土槨」から出土。類例のない青銅製の盾形銅鏡とともに見つかった。刃部がくねくねと屈曲した鉄製の剣で、全長2メートル37センチ。幅6センチ。蛇行剣としては最長で、鉄剣としても古代東アジア最長とされる。
奈良市と橿考研は蛇行剣と盾形銅鏡の取り上げ、保存のための応急的な処置を共同で実施。主担当となったのが河崎さんだった。
12月2日、同古墳を訪れると、見たことのない長大な剣が姿を現していた。ただ剣中央には土層観察用のあぜが残されていて剣の全容が分からない。「剣は1本なのだろうか」。剣には複数の亀裂が確認でき、柄や鞘口には漆膜や木質が一部残っていた。剣は一振を前提として、取り上げ方法を検討することにした。
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