染色品で見る時代や流行 5月14日まで特別展 - 大和文華館

奈良市学園南1丁目の大和文華館で「染織品と松浦屏風―織物・染物・刺繍色とりどり―」展が開かれている。古くから人々の生活を彩ってきた染色品と美しい衣装が描かれた近世絵画など同館の所蔵品約43点を展示する。5月14日まで。
着飾った女性たちの華やかな衣装が印象的な「婦女遊楽図屏風」(国宝・江戸前期)は、平戸藩主松浦家に伝わったことから松浦屏風の名で知られる。幅の狭い小袖や細い帯が桃山〜江戸時代前期の特色を表現。刺しゅうの色が唐突に変わる「色替り」など当時の流行がよくわかる。同屏風は、今月20日に発売された特殊切手「切手趣味週間」のデザインにも選ばれた。
また、飛鳥・奈良時代に中国から入った染色技術を用いた「上代裂(ぎれ)」や、「更紗(さらさ)」と呼ばれるエキゾチックなインド製の木綿布など、同館では珍しい展示品も並び、時代とともに流れてきた染色品を楽しめる。
同館学芸員の宮崎ももさんは「古代から近世に至る染色技術の発展と、染色を通したアジアとの豊かな交流を見てほしい」と話す。
午前10時から午後5時開館。月曜休館。一般630円、高校・大学生420円。30日は特別講演、5月14日に日曜美術講座を開催。期間中の毎週土曜には列品解説がある。いずれも午後2時から。問い合わせは同館、電話0742(45)0544。