フットウエアの丸宗(上牧)開発「アウトドア雪駄」
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フットウエア企画・販売などの「丸宗」(奈良県上牧町、前田真一朗社長)は、水に強い素材を使った「OUTDOOR雪駄」を開発し、クラウドファンディングで提供を始めた。水濡れに弱点がある従来の雪駄のイメージを一新。日常使用はもちろん、水辺や野外活動でも活用できる商品として注目されそうだ。
同社は県の伝統産業である雪駄の製造技術継承のため、多方面の協力を得て雪駄の自社一貫生産を実現。昨年からは鼻緒や足を乗せる天板の柄、ソールの素材などを自分好みで選択、注文できるオーダー雪駄のサービスを展開している。
OUTDOOR雪駄の開発は、販売会や展示会で消費者、バイヤーから聞いた「水に濡れても大丈夫か」との声がきっかけ。芯材に紙を使用する従来の雪駄を素材から見直すことにした。
内部を含め鼻緒や天板にはテント、トラックの幌(ほろ)、アウトドア衣料などで使われる、はっ水性の高い複数の素材を採用。内部に水が染み込みやすい鼻緒の付け根にはパッキンを付けた。
ソールは神戸市のメーカーに専用のものを依頼した。トレッキングブーツをイメージしたソールは、軽量で滑りにくいと同時にクッション性も高く、天板とともに履き心地の向上につながっている。
今回は、購入型クラウドファンディングで資金を調達し、支援者に商品を提供。雪駄の新しい可能性を使用者とともに追求していく形にした。
種類は落ち着いた印象の「WILD」と、華やかで明るいイメージの「COLORFUL」の二つがあり、価格は各1万5千円(税別、早期支援の限定早割りあり)。サイズはレディース2種、メンズ3種となっている。募集締め切りは4月30日。
前田社長(41)は「個性を表現できる手軽な履物として、日常生活はもちろん、キャンプなどアウトドアレジャーでも活用してもらえれば」と話す。
クラウドファンディングのサイトには、検索エンジン「OUTDOOR雪駄」でアクセスできる。問い合わせは丸宗、電話0745(76)8833。