歴史文化

大和古寺・お参り日記【11】 - 龍泉寺(上)

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八大龍王堂に描かれた天井絵。龍は力強いまなざしで参拝者を見下ろす

 天川村へ続くトンネルを抜け、さらに山道を走ると洞川温泉郷にたどり着く。修験道の霊山、大峰山を望む龍泉寺は温泉街の川向いに立つ。気温は奈良市内より5度ほど低く、澄んだ空気と涼し気な風が気持ちいい。真言宗修験総本山醍醐寺の大本山であり、大峰山頂にある大峯山寺の維持管理を担う護持院の一つでもある。

 

 昭和21年の大火によって境内の建物はほぼ焼失。同35年に伽藍(がらん)の復興がなされ、境内の女人禁制が解かれた。

 

山深い洞川温泉街の向いに立つ龍泉寺

 

 

八大龍王堂

 

 

 この寺に祭られる八大龍王は、修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が大峰山で修行中にお出ましになったと伝わる。修行を終えて洞川に下った役行者が清らかな水が湧き出る泉を発見し、八大龍王を祭ったのが龍泉寺の起源という。

 

 八大龍王が祭られる龍王堂の中に入ると、頭上からこちらをじっと見つめる鮮やかな龍の天井絵に圧倒される。ピリッと背筋が伸びるほど龍の存在感は大きい。大火の後に描かれたという。

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