必勝へ、心静かに 鳴戸部屋の力士ら、奈良市の薬師寺で写経 「ぶれない心」弟子に伝える
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3月9日に初日を迎える大相撲春場所を前に、元大関琴欧洲の鳴戸親方率いる鳴戸部屋の力士らが25日、奈良市西ノ京町の薬師寺で、必勝祈願と写経を行った。
同寺の大谷徹奘執事長と鳴戸親方が知り合った縁で2019年から毎年訪れている。
鳴戸親方は「力をもらいたい時や、日頃の感謝を伝えるために寺を訪れる。写経は心が静まり自分と向き合えるので力士たちにもぶれない心を知ってほしい」と話した。
この日は金堂の本尊前で必勝祈願の法要が営まれた後、部屋の力士ら15人が同寺の写経道場で「輪袈裟(わげさ)」を首に掛け、心静かに写経に取り組んだ。高校卒業後に弟子入りした新潟県出身の狩野さん(19)は「静かな場所で集中できた。落ち着いて自分の心を観察する写経は、土俵でのコンディションに通じると感じた」と話していた。