大神神社所蔵・仏像断片の制作時期は少なくとも8世紀前半、素材分析で判明

桜井市三輪の大神神社摂社・大直禰子(おおたたねこ)神社で35年ほど前に見つかった仏像の断片について、制作時期が8世紀前半までさかのぼることが分かった。素材の分析調査による成果。同神社はかつて大神神社の旧神宮寺・大御輪寺(古代の大神寺)だった場所で、聖林寺(同市)の国宝・十一面観音像が安置されていたことで知られる。仏像の断片はどのように祭られていたのか。研究の進展に期待が懸かる。
断片は、昭和62年から平成元年までの神社の解体修理の際、屋根裏などから発見。頭部や螺髪(らほつ)、衣などで、奈良時代の技法「脱活乾漆(だっかつかんしつ)」で造られたことが分かっている。