「京都に比べて奈良は静かで落ち着きます…
関連ワード:
「京都に比べて奈良は静かで落ち着きますね」「奈良に来ると癒やされます」。来訪者からそんな声を聞くだけに、移住相談の少なさは少々意外だった。
総務省の調査では、都道府県別移住相談窓口の相談件数(2023年度)は、大阪府が最下位で720件。次いで奈良県、東京都の順。日本を代表する二つの大都市に奈良県が挟まれているのはどうしたことか。
県はこれまで、奥大和と呼ばれる南部東部地域を中心に移住をアピールしてきた。奥大和は魅力的な響きだが、移住の選択肢となるには魅力の語り手も必要だろう。
県は今後、移住促進の取り組みを県全域に拡大するほか、東京と大阪の相談窓口に相談員を置いて対応するという。せっかく窓口を訪れても、パネルやパンフレットだけでは「やる気なし」と感じてしまう。
ちなみに相談件数のトップ3は宮崎、長野、福島の3県。宮崎県は2万2548件で奈良県とは10倍ほどの開きがある。
人口減少が進む中、移住促進は地域の活性化に大きな意味を持つ。住んでみたくなる奈良へ、県の取り組みの成果が期待される。(増)