NHKの大河ドラマはこれまで、大きく分…
NHKの大河ドラマはこれまで、大きく分けて源平合戦、戦国時代、幕末維新と三つの題材が多かった印象がある。いきおい、戦闘シーンは話題として注目されがちだった。
それ以外のテーマや主人公が描かれた作品は、視聴率とやらで苦戦を余儀なくされることが多かった。15日に放送を終えた、平安朝の貴族がメーンの「光る君へ」も視聴率は、さほど伸びなかったようだ。
しかし、今回特筆すべきは、今まで大河を見たことがない視聴者、特に女性の関心が高かったこと。家人もその一人で「戦いのシーンが少ない」ことを理由に挙げて、最終回まで“完走”した。
今回は「源氏物語」を書いた紫式部と、朝廷のトップまで上り詰めた藤原道長の2人が主役。「平安王朝」の雅な装束や、筆書きの文字も非常に新鮮な映像だった。
清少納言、藤原道綱の母(藤原寧子〈やすこ〉)、和泉式部、赤染衛門と、国文学史に名を残す女流作家たちが登場。最終回には菅原孝標女(たかすえのむすめ、「更級日記」)まで出て来るサービスぶり。
大石静さんの脚本は最後まで光を放っていた。(恵)