三角縁神獣鏡など鏡の文様にもなった中国の…
三角縁神獣鏡など鏡の文様にもなった中国の仙女、西王母が管理する桃園には、不老不死の霊力を持つモモが実るとされる。長生きを願う漢の武帝が、天界から下った西王母にそのモモを授かったとも。
邪馬台国の有力候補地とされる桜井市の纒向遺跡で2千個を超えるモモの種が出土したのは2010年。その後の分析で種の年代が西暦135~230年ごろと分かり、248年に亡くなったとされる女王卑弥呼の時代と一致した。
出土地は遺跡の中枢とされる大型建物跡に近く、儀式に用いた可能性が高いという。
それから約1800年。長生きの妙薬が現実になるかもしれない。愛媛大などはアサガオの花寿命を2倍に延ばす化合物を発見したと発表した。
化合物がタンパク質の分解や細胞死を抑制し、寿命が倍化したという。「将来的には健康寿命を延ばせるような薬の開発が可能かもしれない」と同大教授。
寿命はもちろん、「健康で長生き」は万人の願うところ。西王母にモモを授かった武帝の寿命は残念ながら70代で尽きたが、21世紀に開発される妙薬の効果はいかに。(増)