NHKの朝ドラ「虎に翼」が面白い。群像劇…
NHKの朝ドラ「虎に翼」が面白い。群像劇の要素も多々あり、戦後の荒廃した街の風景や主人公を取り巻く人物の心情も実に丁寧に描かれていて、脚本の力に感服する。
今週は、主人公の大事な仲間だった花岡裁判官の死が、物語の展開の柱の一つになっている。
「食糧管理法」違反事件を担当していて、厳格に法律を守り、ヤミ米などに手を出さずに栄養失調となり、33歳で亡くなった山口良忠さんという実在の判事がモデルとなっている。
筆者は、山口さんが生まれた杵島(きしま)郡白石(しろいし)町の隣町・北方(きたがた)町で生まれた佐賀県人である。北方町は武雄市と合併してしまったが、以前は同じ杵島郡であった。
郷土の偉人として、遠い昔、小学校で習った記憶がある。現在もその流れは続いているようで、山口判事を描いた舞台「テミスの女神」が7日に白石町で上演され、町内の中学生約550人が観劇したという(8日付佐賀新聞)。
テミスはギリシャ神話で「法の女神」のことだそうだ。裁判官として筋を通した生き方は、今もなお人々の心を揺さぶる。(恵)