奈良マラソンが2年ぶりに開かれた。全国…
奈良マラソンが2年ぶりに開かれた。全国からの約8千人のランナーが、師走の古都を思い思いに駆けた。
新型感染症禍で多くの大会が中止になり、再開を心待ちにしていた愛好家も多かったようだ。なおかつ同好の士と一緒に走ることを。
感染症禍のさなかには、密集を避けて好きな時に好きな場所を走り、オンラインで大会気分を味わう方法も各地で行われた。ある出場者はそうした大会には参加せず、練習を続けて本来の大会の再開を待ったらしい。
走ることを楽しむ人同士のつながりを感じられることが市民マラソンのだいご味の一つなのだろう。沿道の応援や大会を支える人々とのふれあいもリアルな大会の魅力に違いない。
感染予防のため声援も控えられたが、拍手に加え「頑張って」などと記したメッセージボードを掲げる市民の姿もあった。力をもらったランナーも少なくなかったろう。
記録狙いの出場者には少し暖かすぎたかもしれないが、人々の再会を祝すようにおだやかな天候だった。次回はより多くのランナーが大きな声援の中で走れることを祈りたい。(智)