「この日を待っていた　再始動」―。きょう12日、2年ぶりに開催される「奈良マラソン2021」のプログラムの表紙にはそんな言葉が踊る。

　平城遷都1300年を記念し始まった大会は、大和路の冬の人気イベントとして定着。一昨年に10回の節目を迎え、新たな歴史を刻み始めるはずだった昨年、新型コロナ禍に襲われた。

　全国各地のマラソン大会と同様に中止を余儀なくされた。その代わりにオンラインマラソンや競技会などはあったが、沿道を走るランナーが見られないのはさびしかった。

　今大会も感染拡大防止を徹底。種目をフルマラソンだけとし、参加者も8000人に限定するなどの対策を講じた。

　大会の名物だったぜんざいなどのふるまいも中止され、提供物は個別包装のものだけになる。例年よりもさびしい大会になるが、感染の「第6波」も懸念される中では仕方がないだろう。

　それでも多くの関係者やスタッフの尽力のおかげで、開催に漕ぎ着けたことを喜びたい。ランナーの皆さんには2年分の思いを込めて奈良マラソンの再始動を楽しんでほしい。(法)