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宝物庫開扉し拝礼 奈良県川上村で自天王しのぶ朝拝式

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自天王遺品のよろいかぶとに拝礼する出仕人ら=5日、川上村神之谷の金剛寺

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 南北朝時代後、奈良県川上村に逃れて南朝再興を図ったが暗殺された自天王をしのぶ第568回朝拝式が5日、同村神之谷の金剛寺であった。裃(かみしも)を着けた出仕人11人らが自天王遺品のよろいかぶと(国指定重要文化財)に拝礼した。

 

 自天王は後亀山天皇のひ孫に当たる。1457(長禄元)年12月、上北山村で足利将軍家に取り入ろうとする勢力に殺害された。川上村の郷民は自天王の遺骸を取り戻し、金剛寺に埋葬したという。

 

 朝拝式は新年祝賀の拝礼儀式で毎年2月5日に行われる。自天王が生前着用したかぶととよろいの袖、胴丸などの武具を収めた同寺境内の宝物庫を開扉。天皇を祝福する「賀詞(よごと)」を奏上し、玉串をささげた。式典の最後は保存会に伝わる巻物「由来記」を読み上げ、南朝皇統がついえた悲しみを語り継いだ。

 

 儀式は自天王らを守護した家系の嫡男のみで続けていたが、550回以降は保存会組織をつくり、村全体で継承するようになった。保存会の中平繁和会長(77)は「少子高齢化など困難な局面はあるが、改革もしながら次世代に継承していきたい」と話した。

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