全国の鬼さん大集合 奈良県吉野町の金峯山寺 「福は内、鬼も内」

全国から追われた鬼を集めて改心させる奈良県吉野町吉野山の金峯山寺(五條良知管長)の節分会は2日、本堂蔵王堂(国宝)で営まれ、山伏たちの読経と「福は内、鬼も内」のかけ声が山内に響き渡った。
修験道の開祖役行者(えんのぎょうじゃ)は鬼を改心させて弟子にしたという。節分会の鬼の調伏式では、山伏や参列者が「福は内、鬼も内」と唱えて豆をまくと、6匹の鬼が本尊・蔵王権現の足元にひれ伏した。改心した鬼たちは五條管長に従い、境内で大護摩を焚(た)き上げて人々の幸せを願った。
日曜日の今年は家族連れの参拝者も多く、福豆まきを待つ境内は大にぎわい。五條管長は「鬼がこんなにたくさん」と笑いを誘いながら「福々しい心を持ち帰って」と呼びかけた。
家族4人で訪れた大和高田市の会社員の男性(39)は「子どもたちが健康で素直に育ってくれることが一番の願い」。奈良市の女性(76)は「世界平和の祈りが届けば」と話した。