小学生、奈良県川上村で希少キノコ発見 3月31日まで森と水の源流館でアカイカタケ展示
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奈良県川上村が保全する吉野川源流の原生林「水源地の森」で昨年11月、村の小学生が見つけた珍しいキノコ「アカイカタケ」の標本が、同村迫の環境教育施設「森と水の源流館」で展示されている。3月31日まで。
昨年11月5日、総合学習で水源地の森を訪れた村立かわかみ源流学園の4年生が「ヒガンバナみたいな変なものがある」と声を上げた。足下で長さ約3.5センチの軸から5~10センチの細く赤い腕を放射状に伸ばしたその菌類はアカイカタケ。虫を引き寄せて胞子を運ばせるスッポンタケの仲間で、周囲には特有の悪臭が漂っていた。
案内していた源流館職員の古山暁さん(43)によると、アカイカタケは悪臭に集まるハエなどに食われて2日間ほどで崩れてしまうため、発見例は少ない。国内各地の林縁部などでみられるが、出現周期ははっきりせず数年に1度という。
2002年開館の源流館に村内のアカイカタケが持ち込まれたのは3例目だが標本化に成功したのは初めて。調査研究で連携している和歌山県立自然博物館(海南市)の協力で凍結乾燥(フリーズドライ)された。
「自然を見つめる目が村の小学生らしくてさすがだなと思いました」と古山さん。子どもにも分かりやすい解説を学習帳風にまとめるなど展示を工夫した。「標本が時間とともに退色するので早めに見に来て」と話している。
このほか館内では林業の営みを紹介する企画展「歴史の証人」(~2月2日)や和歌山県立自然博物館の出張展示「紀伊半島のヘビたち」(~2月11日)も行われている。
午前9時~午後5時。水曜休み。入館料は高校生以上400円、小中学生200円。問い合わせは源流館、電話0746(52)0888。