統計的な裏付けはないのだが、近年街内でごみ箱が減少しているのは確実だろう。個人的には不便で仕方がない。しかし、環境美化、セキュリティーの観点からは正解に違いない。

　日本のごみ持ち帰り運動発祥は1972年に景勝地の尾瀬とされる。以降、ごみ持ち帰りの精神が全国に広がっていった。今は公園をはじめ公共施設でごみ箱設置は最小限なのでは。

　県は奈良市の奈良公園バスターミナルにデジタル技術を活用したスマートごみ箱を設置した。訪日外国人が増加する中、奈良公園エリアへのごみのポイ捨てを防ぐのが狙いという。

　奈良公園は1985年から鹿の誤食もあってごみ箱を撤去していたが、公園に捨てられるごみが増加し鹿が誤食する危険もあるため、最新技術を駆使したごみ箱で効果を検証するという。

　ごみの始末について日本は優秀とされ、ほとんどの街は清潔に保たれている。外国人観光客に好まれるのは円安とともに清潔感があるのではないだろうか。

　ごみのないきれいな街を世界に誇るため、まずわれわれが範を示さなければならない。(栄)