勇ましく力強い姿 奈良県五條市・念仏寺で「こども鬼はしり」 小中学生男子15人が鬼役でたいまつなど掲げ
奈良県五條市大津町の念仏寺で1486(文明18)年から続く正月行事「陀々堂の鬼はしり」(国指定重要無形民俗文化財)を継承する「こども鬼はしり」が14日、同寺で行われ、見学者が児童生徒の雄姿を見守った。
こども鬼はしりは2006年に始まった。今年は地元の小学4年~中学2年の男子15人が参加。夜の本番を前に、大人が務める鬼役や補佐役の動きをまね、堂内で大きなたいまつ(無点火)を掲げた。特有の拍子で盛り立てる太鼓や棒打ちも担った。
先陣を切ってお堂の正面に躍り出たのはたいまつを振って宙に「水」の文字を書く火天(かって)の窪田勝斗さん(14)。続いて鬼役の赤阪斗馬さん(14)、辰巳稜さん(14)、大塚翔馬さん(14)が勇ましく姿を現し、見えを切った。
「幼い頃から見てきた歴史のある行事です。しっかり役目を果たしたい」と辰巳さん。木製の鬼面が大きく、限られた視界での所作は大変というが、赤阪さんは「炎の心で地域を盛り上げます」と笑って見せた。
鬼はしり保存会の辻本英夫会長(62)は「体験することで行事に誇りを感じ、後世に引き継いでいってもらえたら」と願った。