【衆院選2024】 〈解説〉 裏金、与党に影落とす 奈良県内は自民2、立民1
奈良県内3選挙区は、改選前と同じ自民党が2議席、立憲民主党が1議席を分け合う形となった。
奈良1区は2021年の前回選と違い、野党共闘は実現しなかったが、立民前職が無党派層や自民支持層などを取り込み、過去4度、激戦を繰り広げた自民前職を破った。
奈良2、3区はいずれも立民、維新、共産の新人が自民前職に挑んだが、長年かけて築き上げた強固な地盤は揺るがなかった。
自民党は県では2議席を確保したが全国で厳しい戦いを強いられた。派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件が発覚したにもかかわらず、十分な自浄作用を発揮できず、政治資金規正法の改正も中途半端に終わった。10月1日に就任した石破茂首相は総裁選の約束を反故(ほご)にし、国民に十分な判断材料を示さないまま衆院解散に踏み切った。こうした蓄積が自民党への反感へとつながっていったのだろう。
一方、野党は議席数を大きく伸ばし、自民党衆院議席の単独過半数割れに追い込んだ。各政党で主張は異なるが、固まりとなって政治改革が進むことを期待したい。(竹内涼香)