奈良市の奈良豆比古神社で「翁舞」奉納 能楽の起源、厳かに
奈良市奈良阪町の奈良豆比古(ならづひこ)神社で8日夜、国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統芸能「翁舞(おきなまい)」が奉納された。雨が降る中、多くの参拝者が訪れ、能楽の起源とされる厳かな舞に見入った。
奈良時代、春日王の病気回復を祈願して皇子が舞ったのが始まりとされる。現在は氏子らでつくる「翁舞保存会」(豊田義一会長)が舞を継承し、奉納している。
かがり火がたかれた拝殿で、「小鼓(こつづみ)」の独特なかけ声に合わせ、地域の男児が演じる「千歳(せんざい)」が長寿を祝う舞を奉納。翁の能面を着けた「太夫」と「脇」が天下泰平や国家安寧を祝う「翁三人舞」を舞った。
最後に千歳と三番叟(さんばそう)が互いの顔の側面に向かってしゃべる問答があり、問答を終えた三番叟は鈴を鳴らしながら舞を披露した。