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【衆院選2024】奈良市の開票所どこに~ 戦後「最短」の解散総選挙で選管が会場探しに奔走 ロートアリーナは試合が重なり使えず

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2021年の奈良市での衆院選などの開票風景。今回は会場変更を余儀なくされ、調整が続いているという=奈良市法蓮佐保山4の市中央体育館(ロートアリーナ奈良)

 石破茂首相はきょう9日、衆院を解散する。就任からわずか26日後に投開票日を迎える戦後最短の解散総選挙となり、奈良県内自治体の選挙管理委員会も準備に大わらわだ。奈良市では通常「開票所」としている市中央体育館(ロートアリーナ奈良)=同市法蓮佐保山4丁目=が、同施設を拠点とするプロバスケットボールB2のバンビシャス奈良の試合日で使用できないため、会場探しに奔走する羽目に。「投票所」となる学校体育館や公民館も運動会などの行事が重なり一部は調整が必要。公示日までに届くはずの「選挙通知書(投票所入場券)」も発送が間に合わないなど、市選管は上を下への大騒動となっている。

 

 衆院選は15日の公示日まで残り1週間を切った。現在、奈良市が頭を痛めているのは開票所をどこにするか。通常は国政・地方選挙を問わず市中央体育館が会場で、1972(昭和47)年の建物完成以来、使用できなかったのは92年の参院補選のみ。今回は、前日の26日からバンビシャス奈良の2連戦が予定されているという。市体育館施設条例の8条では、「公益上やむを得ない理由が生じた場合」など施設の使用を停止できるとするが、市は「特に今回は選挙日程が急で調整が難しかった」という。8日の定例記者会見で仲川元庸市長も「興行でチケットも販売している。試合変更は周知など費用も手間もかかる」とし、開票所の代替会場として市役所6階の大広間「正庁の間」や県コンベンションホールなど3カ所程度を物色中とした。

 

 しかし、面積約3700平方メートルの中央体育館に匹敵する会場の確保は難しい。2021年の衆院選の開票結果(県議補選を含む)を見ても、小選挙区の作業終了が翌午前3時32分、比例を含む終了時間は同4時46分で、夜通しの開票作業を行うのに駐車場の確保も必須条件となる。

 

 奈良市は小選挙区の区割りで県1区だが、17年の区割り改定後も都祁地区(旧都祁村)は県2区のまま。その開票にも人員を割く必要があり、開票従事者は400人を超える。

 

 仲川市長は「開票は不正やミスを防ぐ意味でも、なるべくワンフロアで衆人監視のもと行われるべき」と説明。仮に市以外の施設を借りる場合、国が交付する衆院選挙費委託金だけでは賄えない可能性もあり、経費増大は避けられない。

 

 一方、体育館や公民館などを使って市内102カ所設けられる投票所についても、運動会やイベントなどの行事が重なり、場所を変更したところも。市選管によると、小学校5校で、運動会の振替日を変更してもらう措置を取ったという。

 

 さらに投票の際、必要な「投票所入場券」の発送も工程上遅れが出そうだ。小橋勇市選管事務局長は「公示日翌日から始まる期日前投票には入場券は必要ないが、毎回『届いていないから、期日前投票に行けない』と苦情が来る。そのためこれまでは公示日までに届くようにしていたが、今回はどうしても印刷が間に合わない。22日頃までには完全に届くようにしたい」とし、「開票所ではモニターを設置するなど陣営関係者ら参観人や報道陣に開票の模様が分かるよう工夫する。今回は準備期間が短く大変だが、混乱がないよう整えたい」と話している。

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