奈良県代表YAMATO奈良 - 国民スポーツ大会「SAGA2024」 バドミントン競技成年女子
初出場キャプテンの柳原なな子「感謝の気持ちは結果で」
鳥取出身の葉山美衣子「より結果を出さなければ」
チーム唯一の奈良県出身の今井優歩「一つでも多く勝って貢献」
国民スポーツ大会「SAGA2024」のバドミントン競技には、奈良県代表として成年女子のみが出場する。競技は10月5日から8日まで佐賀県唐津市の唐津市文化体育館で熱戦が繰り広げられる。
県代表として出場するのは柳原なな子、葉山美衣子、今井優歩の3選手。いずれもバドミントンの国内トップリーグS/JリーグIIに所属する「YAMATO奈良」のメンバーだ。
現在YAMATO奈良のキャプテンを務める柳原は、国スポ(国体)は初出場。「みんなが楽しそうに試合をしている」という印象を持つ。「他の大会に比べ気持ちの上で切羽詰まるような感じは少なく、楽しく上を狙っていけるのでは」と期待する。
もちろんプレーヤーとして結果を出すことが大前提だ。千葉出身で大学卒業まで首都圏にいた柳原にとっては、奈良は全く縁のなかった場所。しかし、「3年間お世話になった土地の代表として選んでいただいた感謝の気持ちは結果で示すしかない」と意気込む。
鳥取出身の葉山は国体には出身県代表として少年女子と成年女子で2回出場している。「県協会の方など日頃から多くの方に応援をいただいている。ある意味で出身県よりも『結果を出さなければ』という気持ちが強くなる」と話す。
葉山はシングルスでの出場が濃厚。「自分の試合で勝ち負けが決まる局面でコートに立つことになるだろう。その場面でどう気持ちを作っていくか、11月のS/Jリーグを前に貴重な場になる」と、国スポの舞台を今後のために生かしていく構えだ。その一方で、今回から「国民スポーツ大会」に名称変更することに触れ「これまでの『体育』ではなく、『スポーツ』だからこそできることは何かを考えたい」と、高校で体育教師をする立場からも大会を捉える。
国スポではダブルス1、シングルス2試合を行い、2勝すれば次に勝ち進める。昨年度は近畿ブロック予選があり、そこで敗れて国体出場はかなわなかった。勝ち切れなかった要因について、葉山は「ダブルスが勝てなかった」点を挙げる。ダブルスは1戦目となるため、そこでの勝敗が続く試合を左右する。
そのダブルスには全国16強の今井が入った。今井はチーム唯一の県出身。これまで大阪(少年女子)、山口(成年女子)の代表で国体に3度出場している。「真剣勝負でありながらも競技を楽しむ独特な雰囲気があった。私自身は楽しかった思い出しかない」と振り返る。
今井には期待が重くのしかかってくるが、「出身の奈良代表で出る初めての国スポ。一つでも多く勝って県に貢献したい」とプレッシャーを跳ね除ける。
監督を務めるYAMATO奈良の三好奈緒は10回以上国体に出場し、選手としても監督としても優勝を経験してきた。三好監督は「確かに今井が軸になるが、一人一人がしっかり役割を果たす必要のあるのが国スポの場だ。主要選手がけん引するのでなく、うまくバランスの取れているチームが勝ち残ることが多い」と各選手に奮起を促す。そして、「国スポでは県を始め、関係機関との縁をより深めることができる。そこで結果を出すことがこれまでの支援への恩返しになる」と話した。
県代表は大会初日に1、2回戦を行う。3選手の戦いぶりに注目したい。
2024年9月11日付・奈良新聞に掲載